導入事例_木内建設株式会社
点群取得からデータ処理までが1週間→1日に短縮!生産性の向上に
木内建設株式会社
昭和19年4月19日設立
静岡県静岡市に本社を置く木内建設(株)は、2021年1月に創業100周年を迎えた総合建設業です。建築事業・土木事業を中心に、まちづくりの総合プランナーとして地域社会の発展に貢献されています。 現在では静岡県をはじめ、関東・中京圏に13の拠点を置き、8つのグループ企業とともに歩む、静岡県内施工実績No.1のゼネコンとしての地位を確立。首都圏にも積極的に事業展開し、売上の半分近くへ伸ばすなど着実に実績を重ねています。
(写真:木内建設 本社エントランス)
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取材にご協力いただいた方
木内建設株式会社
静岡東海地区本部
品質安全管理室 検査課
係長 塩澤 成文 様
インタビュー概要
▶ 導入前の課題
点群取得から設計データ作成までをすべて外注で行っていたため、時間と費用がかかっていた。
▶ 導入による効果
・点群取得からデータ処理までが約1週間から約1日に短縮された。
・社内で点群に対する認知度が高まり、内製化が促進された。
導入の背景
■ GS-1を導入した目的を教えてください。
点群計測をするためです。最初から高額な機械(1,000万円以上のもの)を買うのにはちょっとためらいがあって...。それで手ごろな価格のものから導入しようと思いました。
■ GS-1を導入する前は、どんな工程になっていましたか?
すべて外注でした。
■ 外注していたときは業務において、どんな課題がありましたか?
データを受け取るまでや設計変更の対応にタイムラグがあることが課題というよりは不便でした。外注して出来上がってくるまでに場合によっては、1週間程度かかることもありました。費用もかなり掛かってしまっていました。
導入の決め手・理由
■ GS-1は何で知りましたか?
展示会と(Atosからの)電話営業で知りました。
■ 他社との比較はされましたか?
展示の会場で同様の機種をいろいろ見て、比較検討しました。
■ 製品の選定で重視した基準は何ですか?
取得した点群が世界測地系と連動するかどうかです。
■ 導入の決め手になったのは何ですか?
ローバーと連動して座標付けができるところです。
■ 導入に際して、社内からどのような意見があがりましたか?
社内で扱える人が多いほうがいいという意見がありましたね。一人だけが使うのではなく、誰でも使えるようにしたいということで。
活用方法
■ GS-1を使い始めてどれくらい経ちますか?
去年(2023年)の9月からなので、5ヶ月ほど経ちます。
■ GS-1を使っているのは何人ですか?
今は5、6人です。
■ GS-1をどのように(何に)使っていますか?
土木系の現場だけではなく、建築現場の土工数量の計測や設計前の物件の現況調査や積算。解体を伴う設計物件では現況の構造物、例えば側溝が何m壊さなければいけないとか、舗装面積が何㎡壊さければいけないといった数量拾いが、点群計測をすることによって、簡単に結果を出せました。
活用した所感
■ 実際に使ってみた所感を教えてください。
手首が疲れます(笑)。肩掛けのものを準備してもらって使い始めたら、楽になりました。(操作面では)ボタンを押す回数が多いので、使用する間が空くと忘れてしまう方もいるみたいです。
■ 導入による手応えを感じたのはどんなタイミングですか?
土量拾いとかは、いくつかの現場で使って簡単にできたのでよかったですね。
■ 実際に使ってみて、つまずいた場面はありますか?
エラーがでてしまうことが何度かありました。(マニュアルにも記載があったのですが)海岸沿いや河川の河道掘削といった広くてレーザーが反射するものがないような現場ではエラーが出てしまうようです。
導入の効果
■ GS-1の導入により、生産性の面で効果はありましたか?
先ほど言った通り、土量計算が簡単にできるので成果は十分にありますね。ほかにも面積を出すとか、延長を出すといった場面でも効果があります。あとは、BIM / CIMとの連携での活用ですね。計測してきた点群とBIM / CIMを連動させることで自社設計の物件において仮設や数量計算が、簡単に何パターンも検討できました。建築の根切りの計画をする際にオープン掘削にするのか、あるいはどういう山留めにするかとか。そういった場面で、数量拾いや検討ができるのでかなり効果はあったと思います。
■ GS-1の導入により、どの工程で時間を短縮できましたか?
点群を作るということに関しては、外注で1週間前後かかっていた部分が一日でできるようになりました。
■ (設計の部分で)仮設の検討等について、以前は外注されていたのですか?
社内の設計部員が何時間もかけて計測していたと思います。仮設を何パターンも書いて、そこに断面を切り直して、そこから数量を拾って...。点群とBIM / CIMを合わせて活用することによって、そのような業務の時間短縮が図れました。
■ GS-1の導入により、行動やスケジューリングにおいて変化した点はありますか?
(社内の)多くの現場に呼ばれました。(GS-1の使い方を)教える立場なので。(大変なのでは?)大変ってわけではないです。いろんな人が使って効果を出してくれればいいなとは思います。
■ GS-1による効果面で、もっとも高く評価していただいていることは何ですか?
三脚式に比べて手間が少なく、計測時間が速いところです。導入費用が抑えられたところもよかったです。
■ 想定外だった効果や変化はありましたか?
土木部以外で使う場面が多かったのは想定外でしたね。
■ GS-1の導入によって、社内で内製化に向けての動きはありましたか?
(2023年9月に)導入してから年末までに、20現場くらいは計測しました。(GS-1が)珍しいというのもあったかもしれませんが...。建築現場の人や設計部の人の中には土木部に比べ、まだまだ点群計測を知らない人がいるのは事実ですが、社内で広報を何度かしたところ、自分の担当現場でもやってみたいという声が多く上がってきました。
■ GS-1の導入による効果をどのように受け止めていますか?
社内での点群に対する認知度が高まり、活用する人が増え、省力化が進んだという点が効果としては大きいですね。
今後の目標や展望
■ 貴社の今後の目標達成やビジネス展開において、GS-1をどのように活用していきたいですか?
(GS-1で取得した)点群とBIM / CIMモデルを合わせて活用していきたいです。
■ 今後、弊社に期待することは何ですか?
もう少し操作が簡単なタイプとかがあれば、社内でも広めやすいです。
■ GS-1を他社に勧めるなら、一押しのポイントとしてどんなことを挙げますか?
世界測地系の座標付けが簡単にできるところと、NETISに登録されているところです。NETISにおいては、(2023年11月に登録されたばかりで)「A」評価なので今が旬かなと思います。
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
※インタビュー内容は取材当時のものです。